Yellowman

リコリス・ピザのYellowmanのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
4.5
待ち焦がれていたPTAの新作。
クーパー・ホフマン(父親は、故フィリップ・シーモア・ホフマン)演じるゲイリー15歳と3姉妹のロックバンドHAIMの3女アラナ・ハイム演じる25歳のアラナの2人が70年代のロサンゼルスを舞台に繰り広げる青春ラブロマンス。

だが、ただの青春映画で、終わらない所がPTAらしい。無茶苦茶粗暴な、ブラッドリー・クーパーや、ベロベロに酔いながらバイクに乗るショーン・ペン、そして、異質の存在感を放ってたトム・ウェイツ。脇役達が濃厚過ぎる。そもそも、高校生でウォーターベッド販売や、ピンボール屋を始めるゲイリーもどうかしてる。当時のLAの街って、こんな感じで、実際にこういうキャラの人達もワンサカいたんだろうなと想像してしまう。

この映画では、走るシーンが良く出てくるが、なぜ、走り出したいのか?一つは人間の感情表現として、最も分かりやすいからかも知れない。切なくて走る。気になっているから走る。ただただ、抑えきれない感情が全力疾走させる。もう一つは、大した意味なんかない。走りたいから走る。

スクリーンの端から端へと走るゲイリー、アラナ。何と瑞々しいのだろう。
走るだけで、説得力を持つ。
抑え切れない感情が爆発してるかも知れないが、大した意味なんかなく、走りたいから走るのだろう。
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