リコリス・ピザのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

くすぶってる年上の女性が野心のある年下ボーイとつるんでアレコレという話。年上女性の気持ちの移ろいがなんか絶妙にリアルでほろ苦い気持ちになった。彼が同世代の女の子と話してると、その女の子が必要以上にフレッシュでキラキラして見えたり、ヤキモチや甘えたい気持ちを素直に表現できずにけしかけたり。まあでも相手は15歳なんでね…。大人の関係にはなれないわけですが…。そのけしかけに乗るゲイリーの子供っぽさもなんだかリアルで、このやりとりは大人になってもありえるぞと思った時点で、人はだいたい一生変わんないのかもとも思った。クライマックスですれ違ってた二人がまた巡り合って走り出したところで、結局超ファンタジーにオチるのかと思ったけど、調子乗ったゲイリーにアラナが「それは無いわ」って引いたところで幕が閉じるのが良かった。イカれたブラッドリークーパーがウケる。ハイム一家総出演なのもウケる。ポールトーマスアンダーソンの友達や知り合いや家族がわんさか出てて、史実だったり店名も実名が結構使われてたりするそうだから、小ネタや繋がりを知った上で見た方がより楽しめる気がする。劇盤の使われ方しかり、ネタバレを噛み締めて見た方がより面白いタイプの作品だと思うから、前情報無しかつ初めてPTA作品を見た人は？？？となる気がする。

全編フィルム撮影だからか、タバコや焚き火(？)などのシーンで煙がやけに壮大というかフォトジェニックなのも面白い。

唐突でなにごと？みたいなシーンもままある作風なので、ポールトーマスアンダーソンのカルト的な人気の理由がまだよく理解できない。