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リコリス・ピザのmingのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
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初っ端の美脚で心奪われた
あとファッション、美術、音楽とか徹底されてて70年代アメリカのアンニュイさが画面から溢れ出ていた

自分のやりたい事が分からない、けど何者かになりたい、自分の存在を認めてもらいたくて何かチャンスを待っている25歳のアラナと自分のやりたい事を既に自分で認識していて行き当たりばったりだけどチャンスを掴みにいく15歳の高校生ゲイリーの恋愛模様
(ウォーターベッドを販売していた事とか実話を随所に盛り込んでいるらしいから驚き)

彼の自由さや底知れぬ自信とか自分主体で生きる強引さとか自分には無いものを持つ彼に確実に惹かれていきながらも歳の差や彼の言動ゆえにどこか向き合いきれない、行ききれない彼女の姿がとても印象的だった

だけど正直見ていて、え?いつの間に彼に惹かれてたの?とかえ?さっきまでお互いにうんざりしたから距離置いたんじゃないの?なんでまた一緒にいる?とか、私が2人ともにさほど人間的魅力を感じなかったからかモヤモヤした

全く人生観の違う人の視点で物事を見れる所が映画の凄いところだなって改めて思った
私だったら、失敗したら家族を殺すとか脅されたらウォーターベッドを確実に完成させるだろうから、あそこで水垂れ流しにして去るのは正直怖いなって思っちゃうけど、それが15歳の強さというか何にも縛られたくない指図を受けたくないからなのか分からないけどその強さや自由さがアラナから見たらキラキラして見えたのかなと思う

70年代のアメリカに生きていた若者の考え方は現代の日本の若者の考え方に近いというか、社会をどうこうするという事より自分が幸せであることへの優先度が高い感じ。自分のことや恋愛のことに真正面から悩む姿は共感できた

恋愛映画で胸キュンがここまで無いのは久しぶりだったけどアメリカ映画だからこそキスシーンが最後までお預けだったのがより2人の曖昧な関係性を強調していて最後の最後でドキドキした
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