みきわめとおる

リコリス・ピザのみきわめとおるのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
4.3
PTA祭り、とりあえずいったんのラストを飾るのは、『リコリスピザ』なり。

マグノリアや、ゼアウィルビーブラッドのハイテンションとは隔世の感のある本作をどう読みとろう。

もう、それはPTAと、フィリップシーモアホフマンの絆(きずな)の物語。

わずか46歳にして、薬物中毒でこの世を去ったフィリップシーモアホフマンは、PTAの最大の理解者であり、出演俳優であった。

PTAが彼を失った時の哀しみや、絶望は我々の想像を遥かに超えるものだったろう。

そんな中で、PTAは今や青年に成長したフィリップの息子、クーパーホフマンに父親への感謝も含めてこの『リコリスピザ』の主役に抜擢した。
クーパーホフマンも、その相手役のアナラハイムも初めての映画出演にして、主役を見事に演じた。
PTA(ポールトーマスアンダーソン)は何かを信じる人である。その信念は間違いなく私の心を震わせて明日への力を持たせてくれた。