ぽん

リコリス・ピザのぽんのネタバレレビュー・内容・結末

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ビジネスと政治とティーンエイジャーという不思議な取り合わせに翻弄される20代女子のオハナシ。
ちょっと風変りなラブストーリー。

なにしろこのゲイリーって子の自信満々でふてぶてしくも小賢しい金持ちのボンぶりが面白い。フィリップ・シーモア・ホフマンの息子と聞いてめちゃくちゃ納得。
対するヒロインのアラナは見た目ちょっと地味ながらスタイル抜群で立ち姿がキレイ。何考えてるんだかよく分からない不思議ちゃんな雰囲気が、このあっちこっち自由に、かつ不安定にただよう寄る辺のない物語によく似合う。

一つひとつのエピソードや会話が面白くて惹きつけられっぱなしだった。友達以上・恋人未満のさほどムズキュンもしないビミョーに宙ぶらりんな男女。演じる2人もキラッキラじゃなくて。それがリアルかって言ったら全然そうじゃないウィアードな絵空事に満ちてて。次々と出てくる連中もみんなイカれてるし。ブラッドリー・クーパー面白すぎ。

最後のほうでアラナが出会う一人の男性がいて、その人と彼女は共感で結ばれる。お互いにパートナーがクソ野郎で「みんなクソだよな」って頷き合う。
でもこれってホントは相手のことが大好きで、この世界がみんな素晴らしいんだよねっていう心の奥底の叫びの反転なんだと思う。だからアラナは走り出す。自分が行くべきところへ。
素敵なラスト。いいじゃないですか、こういうハッピーエンド。これぞ映画って思う。
ぽん

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