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リコリス・ピザのShのネタバレレビュー・内容・結末

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

15と25の恋愛映画?って事ですごく批判的な姿勢で見始めたんだけど、けっこう好きだった
もちろん歳の差は終始気になりすぎてたけど、テーマに関して言えば
大人になりたい15歳、大人になれない25歳の人生
 
15の時なんて、早く大人になりたいと思ってた
でも今は、理想としてた大人になれない自分に毎日のように頭抱えてる
アラナと歳が近いから、自分の過去と今を見てるみたいだった

「周りは大人扱いするけど、まだ大人になんかなれてないし、なり方も分かってない、でも、大人の振る舞いをしなきゃいけない」

そんな微妙な年齢なのが多分アラナで
この2人の微妙な時期の交差を描くには言わずもがなこの年齢設定は必要な要素だった
これが25歳と35歳が出会う映画だったら、多分つまらなかったと思う
恋人とか好き同士ってより、ソウルメイト的な、恋愛とかは一旦関係なく考えても「自分が自分でいられる相手同士」って感じがしたのがとても良かったんだよね
だからこそ、(もちろん年齢差のこともあって)最後のキスシーンとか、苗字変えて呼ぶエンディングはあんまり好きじゃなかった!2人の関係の終着点が恋愛でも全然構わないんだけど、年齢差考慮してそこだけもう少し他の描き方なかったのかな〜と思って、ちょっと残念。

でも、悪ふざけしてるゲイリーを冷たい目で見てるアラナとか、すごいリアルだったろうなと思う
実際アラナは25歳にしてはかなり子供っぽいというか、幼いとは思ったのも事実だけど、年齢と共に嫌でも重ねてしまった経験とか過ごしてしまった時間っていうのは、ゲイリーとの間に薄いけれど確実な壁は立ててしまってたんじゃないかな
アラナはゲイリーに親しさを感じていたからなおさら、彼のティーンの側面を通して「あ、私はもう子供じゃない、戻りたくても戻れない、大人になるしかないんだ」って、静かに悟るんだ

とにかく青春って言葉がぴったりだった
私も、誰かに会いたくて、その人の元に走りたい
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