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ゴッドファーザーPART IIIのtkのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.0
アンディガルシアを初めてこの映画で知ったけど、若かりしロバートデニーロにしか見えない。
初代ゴッドファザーが息子マイケルの守護神として自らの果たしきれなかった役目を果たしに生まれ変わってきたような感覚だった。

そしてそれが結局仇になった。
贖罪するには罪が重すぎる。その通りのエンディングだった。

ついにマイケルが終わりを迎えるのかも..っていう緊張感をオペラで掻き立てる演出にすっかりのせられた。前2作ではこういう凝った演出はなかった記憶なので新鮮だった。

ポルテージが上がりに上がったまま何事もなく終わるわけもなく、どうなるかと思ってたら予想もしないエンディングを迎えた。
カロ、ヴィンセント、マイケルにとっての1番の泣きどころに悪魔の白羽の矢が立って、全員が生殺しを喰らうっていう意味では背負った罪にふさわしい最後だったのかなと思った。
堅気家業に舵を切ろうとするも、運命を変えようと力に頼ることを再び選んだ結果、最愛の存在が自らの身代わりとなってしまった。運命を受け入れ、本人がオペラの幕引きと共に命を奪われるという結末なら、まだ周囲も納得のいくらしい最期だったのかもしれない。
欲が贖罪では埋めきれない罪を再度マイケルに降り掛からせる事になった。

マイケルが殺されて、人の止まらぬ欲の連鎖が悲劇を生み続ける、的な余力を残す終わり方じゃなくて、
気力を失わせる程の強い絶望が悲しい連鎖を終わらせるっていう幕引きだけど、
この方が終始映画に漂っていた哀愁が引き立てられてて好きかもしれない。
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