悪魔の毒々クチビル

悪魔館 死霊のせいなら、有罪。の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.6
「すぐ済みますから、こうすればね」

孫を生き返らせようと妊婦を誘拐してきた老夫婦だが、手違いで悪魔を呼んでしまったお話。


ひっでぇ邦題を付けられて大変気の毒ではありますが、出来自体は悪くないです。
誘拐されたのが出産間近の妊婦と言うことで、ごく普通の老人相手でも上手く立ち回れないように設定されていて、中々逃げられないのもある程度納得は出来ますしちょくちょく訪れる心霊現象もシンプルにホラーしていて良き。
既にフォロワーさんのレビューで見掛けていたデンタルフロスお婆さんとか、無限自殺刑事とか大小トリック・オア・トリートみたいに無駄に個性的な幽霊がいるのも良かったです。

そんな心霊現象に悩まされ、次第に自分達はとんでもないことをしてしまったのではと焦り出す老夫婦も普遍的な一面が逆に印象的でした。
ただ一般人とは言え、特に夫の方は妻の為にと一線を越えた事に覚悟を持っていた姿に若干狂気が宿っていました。
因みに彼、ヘンリーを演じたジュリアン・リッチングスは「キューブ」で冒頭バラバラになったあの人役だったり「クライモリ」ではマウンテンマンの一人スリー・フィンガー役だったりと、結構「あの役だったの!?」ポジションで色々な作品に出演しています。

除雪機に頭から突っ込む、みたいなシーンはありますがこれと言ったゴアシーンはないです。
代わりに終盤は小規模ですが怒涛の幽霊ラッシュがあったり、悪魔もチラッと出てきたりと盛り上がり所はありました。
キャラも誘拐する側、される側双方立っていたしで普通に楽しめました。

因みに劇中終盤とラストはゴリゴリのメタルナンバーも流れますが、このBattle Scarredというバンド、YouTubeとかで調べても全然出てこない。
Metallumによればカナダのグルーヴメタルバンドらしいです。