ゆうき

ヴェラは海の夢を見るのゆうきのレビュー・感想・評価

ヴェラは海の夢を見る(2021年製作の映画)
2.7
はっきり言うと、ストーリーやテーマに目新しさが何にもない。その割には、やや重苦しい演出・音楽が目立ってしまい、相対的に内容が弱ってしまっているところが残念。この「内容」と「演出」のバランスが悪い映画の場合は、観ていてしっくり来ないし、もやもやしてしまう。結末も何だかフワフワしていた…プロットをもう少し詰めて考えて欲しいところです。

ただし、映画の作り方(技巧的に)はしっかりしているので、次回作以降に期待といったところか。

2021.11.8 追記
まさかこの作品がグランプリを獲るとは(笑)

審査委員長の総括をYouTubeで見たが、「ちょっと思い出しただけ」への感想は完全な勘違いなんじゃないの?あの作品のあの台詞は、ある意味では全く逆の価値観とも取ることができる。つまり、多様性の中で人々が認め合っていても、どうしようもなく、すれ違ってしまう事もあるという状況に対する「やるせなさ」を表現した台詞だよあれは。少なくとも、委員長が指摘するような多様性や民族性を否定するものではないんですよ…
なので、日本人委員とか身近な人が誰か正してあげなよ…

加えて、委員長はかなり映画の社会的な背景を評価するタイプの映画人とお見受けしたが、評価対象である映画自体から乖離した評価になってませんかね?
「民族とかジェンダーなどの社会問題が適切に描かれている」=「素晴らしい映画」ではないと思うのですが…フォークロアについても言及していたが、それは評価対象の足切りとしての要素ではあるけれども、それだけで優れているかどうかという話にはならないと思うのですが…
委員長の総括のコメントを聞く限りでは、何とも堅苦しい評価軸だと思ってしまった。
映画の好きな人間は、堅苦しい社会学だけを観察するために映画を鑑賞しているわけではない、と強く意見を表明したい所存である。

ということで、審査員と自分の考え方が全然違うという事だけは理解しました。
ゆうき

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