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母の聖戦/市民のlpのレビュー・感想・評価

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)
3.5
東京国際映画祭にて鑑賞。

コンペからダルデンヌ兄弟やミシェル・フランコ、クリスチャン・ムンギウと、驚くほど豪華な監督陣が製作にクレジットされている『市民』!

舞台はメキシコ。巨大犯罪組織に娘を突然誘拐された母親を主人公にしたサスペンス。

ダルデンヌ兄弟がクレジットされていることも影響してか、各シーンのキレが良く、テンポの良いストーリーテリングが出色。容赦なく主人公を追い込みながらも、誘拐の被害者として単なる泣き寝入り話にせず、自然と反撃へ転じさせていくストーリーも面白い。後半の何処か噛み合わない夫婦の会話など、印象的なシークエンスがある点も良い。
テンポの良さもあり、グイグイ映画に惹き付けられた。

しかし、映画後半は誘拐劇として「ありがち」な領域に収束した感があり、少し失速してしまう点は勿体ない。
2時間オーバーの長尺も、途中で似たようなシーンを繰り返す事もあり、長く感じてしまった。

賛否で言えば迷わず「賛」であるけれども、決め手には欠く印象だ。面白いけど、惜しい!
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