たぬー

母の聖戦/市民のたぬーのレビュー・感想・評価

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)
4.2
メキシコで娘が誘拐ビジネスの犠牲となった母が全てを懸けて娘を取り戻そうとする話。

映画が始まって8分で最悪の状況がスタートする。全体的にとてもテンポ良く説明無しでストーリーや人間関係が把握できる演出が見事。
誘拐ビジネスをしているカルテルの連中のクズっぷり。今作1番の悪役の誘拐の主犯の男の嫌な感じ。身代金を要求するカフェで太々しく飯を食いコーラで流し込むところ最悪で最高。お母さんの逞しさ、暴力も辞さない覚悟を体現する主演女優も素晴らしい。ダンナのダメっぷりも良い。「予想した展開と違った」ってセリフ最高。
メキシコで生きていくにはカルテルに関わらないわけにはいかないのだろうけど、残酷な暴力がなんの躊躇いもなく振るわれる世界にゾッとする。

思わせぶりなラストはちょっと好みじゃないけど大好物な一作でした。

家族が誘拐され自力で十人の実行犯を収監に導いた母親の実話を元にしてるそう。
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