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見事な娘のseapony3000のレビュー・感想・評価

見事な娘(1956年製作の映画)
4.0
妊娠させて女を棄てる伊豆肇、恋人の妹に無心してトンヅラかます杉葉子。ふたりはすぐ退場して、それ以外は全員がほぼ善人ではっきりしすぎるのがアレだけど、とにかく父が倒産しても、家を飛び出して病気になった兄が帰ってきても、嫌な顔ひとつせずに優しく接して日々仕事に励む司葉子があまりにも素敵で素直に感動してしまう。ボンボンだけど素直でいい奴の小泉博と同僚のぼんやりだけど案外頼りになる桂樹。兄の土屋嘉男と彼を助ける山本廉、ふたり並ぶと似すぎだけど、女子3人が「ベニーグッドマン物語」見終わって出てきたところをタクシー乗せる山本廉が、北川町子か森啓子かもしかしたら近い将来どちらかとカップルになりそうななんかわくわくするような場面が良い。職場の有楽町、千住のおばけ煙突、富士山みえる蒲田のはずれの一軒家。ぬかるんだ細い道を帰る斎藤達雄と吉川満子、見送る笠智衆と沢村貞子のシーンもほんと素直に泣けてしまう。ダークな面の掘り下げがなくて忘れてしまいそうになるけどなんかふわっと感動してしまう。
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