はぐれ

ある詩人のはぐれのレビュー・感想・評価

ある詩人(2021年製作の映画)
4.0
「始めに言葉ありき」。タルコフスキー監督作『サクリファイス』のあの有名な"生命の樹"の場面をコピーした貼り絵のアップから始まるの本作。ロシア文学の永遠のテーマである貧しき者の矜持についてわかりやすく語りかけてくる。詩が題材になっているからかトーンやテンポがジム・ジャームッシュのそれ。シーンとシーンの間に発生する絶妙な間に何度も吹き出してしまった😂

「こんな難しい時代に詩人になってくれてありがとう」。年度末の予算消化のために催された地方自治体主催の詩の朗読会でただひとりの観客から投げかけられた言葉。ストレートな言葉なんだけどめちゃくちゃ刺さった。あのシーンはズルイよね😢飢えと孤独と闘っていた詩人の主人公の全てを肯定してくれる言葉だよね。

個人的にめちゃくちゃツボな作品だし終始好感が持てる愚直な作風。

カザフスタンの皆様のお顔や生活様式がとっても日本的でめちゃくちゃ親近感が湧いてしまった。国籍や言語の壁なんて軽々と飛び越えてくる映画の存在ってありがたいよね🙏
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