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オマージュのLenfilmのレビュー・感想・評価

オマージュ(2021年製作の映画)
3.5
映画制作や映画業界内幕モノが大好物なもんで実は今年のTIFFで一番期待してた作品。

シン監督ってもう10年以上前になるけど「虹」が好みど真ん中だったんで気になってたんだよね。 そん時も女性が韓国で監督する苦労とか映画制作続けられるかわからないとか話されてたなぁ。 今回コンペでまだ映画制作続けてたんだと知りちょっと感激。
そんでもって女優さんが監督そっくりで驚愕! シルエットは異なるけど。
作品は韓国社会で女性が働く苦労、クリエーターとしての困難を描いてるんだけど声高に不満垂れないフェミフェミしてない。夫や家族と過ごす日常描写に織り込ませる控えめ?描き方が良い。 そして映画愛に溢れる展開。 韓国初の女性監督の軌跡を辿りつつ当時の時代背景や映画の置かれていた状況を描いている、そして映画業界諸先輩方へのさりげない敬意見事だよな。
老いた編集者は、朝から仕事場に女がいるのは縁起悪いと塩投げられた今はどう? と監督に問いかける。似たようなもんですよと苦笑する監督。このシーンさり気ないけど好きだなぁ。

とはいえ
なんで昔のフィルムが劇場に残ってんの?
韓国ってフィルムは劇場買取なの?
フィルム見つかって良かったけどあれって絶対35mmじゃなくね?
等々 気になる事もありますが…まっファンタジーだからね。
そうそうエンドロールの演出が映画愛溢れて素晴らしい。

因みにパク・ナモク監督って実在してて1955年に監督デビューなんだとか。
日本初女性監督は坂根田鶴子監督で初作品は1936年という事になってますが…
実質的な女性監督だと田中絹代1953年だから日本も韓国もあんま変わらないんだ。
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