主演の魅力と撮影の魔法で迫る
ふつうに暮らして普通の高校生活を送っている主人公、でも彼女の父親の居場所がなくなってしまうことで、
本人のせいではないのに、高校生活と将来への期待が決壊していく…
マイナーな社会問題をテーマに取り上げながら
監督の視線はクルド人家族の日常生活の細部にまで届いているため観客はこの問題に寄り添いやすい
こうやって丁寧に届けられた物語に感謝したい
この作品によって、日本の豊かさと共に一種の貧しさをも感じられた…
チークキス
ちゅ!の音を耳に届ける
「私たちのあいさつよ、こんにちはと、さよなら」
「…今のはどっち」
「どっちでしょう」
主演の嵐莉奈さんの魅力がこの作品の一番の売りなのは間違いないが、驚くのは、この家族は主演の彼女の本当の家族であることだ
父親の笑顔や小生意気な妹さん、味があって良かった
撮影は「ドライブ・マイ・カー」の四宮氏が担当(!)しているが、随所にはっとさせられる美が捉えられていた
その恩恵が、ややスローに進行するこの作品を引き締めていた
主人公サーシャが直面する問題は大きくなる一方で、ひとりの肩にそれがかかってくるため大変だ 仲間の助けもあるとしても
一方で解決の糸口については示されず、観客に考えさせる余白を多く残すことに成功していた
両手を天に向けてお祈りしてから夕食を共にするこの家族は、シリアに近いトルコの村から逃れてきて日本で暮らしている
しかし母の姿はなく、父親はトルコ語を長女と交わせるが、妹や弟が理解できるのは日本語のみなのだ(小説によると実は長女もクルド語は知らない)
監督によると、多くのクルド人は解体業で生計を立てているのだという
四人家族の姿は和やかだったが…
最初に、若い主人公の掌はヘナで赤く染められ、近い将来に予期される結婚とその相手をも示唆されてしまう
やがて、淡い恋心を抱く友人と一緒にスプレーで赤く染めたりするのだが、最後のシーンでも手を洗うシーンがでてくる…
掌は彼女の進む方向を暗示しているようでしたが、きりりとした眼差しに少しだけ安堵しました
中学生以上、どなたにも
カップルにも好適
家族にはもっとお勧め
⭐️監督のトークがある回を観賞
ご自身もハーフであり、カタチは違うものの祖国を持っていない感覚があり、祖国を持たないクルド人のことに興味を寄せ始めたとのこと
*幸運にも小説を入手できたため
読了後に加筆します 近日中に…
⭐️ラーメンのシーンだけでなく
夕食シーンも何度か出てきて満足〜
⭐️平泉成さんの味わい最高でした!
優しいけど頼りきれない感じがあって
*平泉さんの役は弁護士で、難民申請をした12年前からサーシャ一家と付き合いあり(小説より)
*難民申請は、12年かかって不認定とされてしまい、在留カードも捨てられる😰
*不認定→仮放免
仮放免になると、就労ができなくなる
などの制約が課せられる…😱
これらは制度の仕組みであり、感情的に
なっても仕方ないものなのだ、が
んー、充分に議論されているとは思えない…