10円様

マイスモールランドの10円様のレビュー・感想・評価

マイスモールランド(2022年製作の映画)
3.8
 もう観られないかと思いました💦
 かなり前に名画座で二本立てやってたんですがそれを逃してしまいレンタルか配信待ち。すっかり忘れてましたがやっとNetflixで配信してくれました!ありがとう〜😭

 難民問題。難民問題なんて全然馴染みがないので日本では全く縁のない世界だったと思ってました。しかしウクライナの情勢があり「難民」という意識は日本人の中に植え付けられたのではないでしょうか?現在、ウクライナ難民は日本に2000人くらいいます。

 難民の受け入れ。日本は難民条約を締結しているため、難民を受け入れなきゃならないらしい。ただ他の国と比較しても受け入れ率はかなり低かったです。一位はダントツでドイツ。2015年にアフガニスタンとかの難民を無条件に大量受け入れをした事がありましたね。あれは国のイメージアップと国の労働力を確保するための思惑がありました。人道的観点から言えばとても良い事でしたが、国政面で言えば浅はかな行使だったようです。実際、国の保障のみでは回らなくなった挙句、労働力として機能しているのも数%だとか…

 ただドイツの場合は受け入れは多くても、その流入した人たちを難民認定する率は20%くらいと少ないようです。その面はイギリスが68%で最高。日本は2%らしい。
 つまり日本に逃げてきてもまともな生活なんて送れないんですが、じゃあなんで逃亡先を日本に選んだのかというと。「たまたま」と言う事が多いようです。たまたま観光ビザが取れたとか。まあ、迫害されている人から見れば、逃亡先を選んでられないですからね。

 本作、そんなクルド人難民の日本での生活を生々しく見せてくれました。
 製作したのは是枝一派の分福という集団なだけあって、とても静かな反面、騒音系の音を上手く使っていました。普通の生活から一転して不幸になる…という展開に対してこの演出は「誰も知らない」とか「万引き画像」にも観られたものですね。台詞が少ない中でも背景が雄弁で伝わり易いという不思議。これをもし是枝が監督してたらどうなるんだろうと思いました。

 私の子ども時代って、在日や外国人がかなり珍しくて、青森の片田舎に外国人でもいたらイジメの対象になったり、良く思わない世代に村八分にされたりしてんですよね。その時代からするとまだマシなのかと思っちゃうんですが、まだまだ在日外国人の問題ってのはありそうですよね。

 本作では「外国人だから」という理由でイジメにあう直接的描写はなく(小学生の時にイジメられてたって台詞はあるけど)、学校にも友達がいて、遊びに行って、日本人の異性に好意をもたれる。バイト先の店長も学校の先生も良い人でよくお世話してくれる。というように、在日のアイデンティティ問題を扱った作品ではないという事が分かります。
 しかし、それが「不法就労」「不法滞在」になった途端に周囲の反応が変わる。ただ変わると言っても申し訳なさそうに突き放す。助けになりたいけど、日本の法律のせいで助けてあげられないモヤモヤ感を抱えながらの事です。
 そういう心理描写は是枝作品と比べるとあからさまであった気はしますが、やっぱり良い人が出てくる映画は一縷の希望があって安心しました。

 サーシャ役の嵐莉菜さん。とても綺麗な顔立ちでびっくりでした!妹も弟も凄い綺麗な顔立ちです。これ、なんとお父さんも含めて皆さん実際の家族らしいですね!ん〜、そう言うキャスティングも是枝っぽいぞ!
 そして本作で1番びっくりしたのが池脇千鶴の登場です。
 あれ?すっごい顔が変わってないか?
10円様

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