南

ザ・トリップの南のレビュー・感想・評価

ザ・トリップ(2021年製作の映画)
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コメディ版『ファニーゲーム』といった趣向の楽しいゴアゴア映画!

・別荘に押し入った犯罪者グループ
・夫婦の拉致監禁を中心とした惨劇
・湖
・ボート
・車で移動する家族を見せる冒頭シーン with ラウドなBGM

などの要素が『ファニーゲーム』的だが、

「登場人物たちの真剣さと裏腹にどこか間の抜けた緩んだ空気」

「血まみれぐちゃぐちゃスプラッタ」

というトミー・ウィルコラ監督らしい対比と笑いの感覚がユニークだ。

加えて、今作に見られる下記の要素を引き継いだ『バイオレントナイト』は発展版『ザ・トリップ』とも言える。

・気弱で頼りない中年男性が窮鼠猫を噛む奮闘を見せる『わらの犬』的な展開

・銃を向けられた人物たちが
「自分じゃなくてそいつを撃ってくれ!」
と醜い押し付けあいをし、銃を構える強盗も
「誰を撃てばええやろ」
とアタフタするとぼけたシーン

・ぬぼ〜っとしたおバカキャラの強盗(格闘の末、死ぬ)

・人間ミンチ描写もあるよ!

※『バイオレントナイト 』のレビューは以下からどうぞ↓↓
https://filmarks.com/movies/104975/reviews/149419083

そしてウィルコラ監督の『セブンシスターズ』で1人7役を好演したノオミ・ラパスが今作でも体を張った演技(というかケンカ)を見せているのもポイントだ。

『パッション』や『プロメテウス』など基本的には「サスペンス顔」の役者だが、

『ミレニアム』『クロース』を始めとしたアクションもいけるし、

『LAMB』など文芸的な作品もハマっていたし、

彼女が出演している映画というだけで「お?」と気になってしまう。

ウィルコラ監督とラパスのコンビ作が今後もたびたび観られることを期待!
南