わたぼう

最後の渡り鳥たちのわたぼうのレビュー・感想・評価

最後の渡り鳥たち(2021年製作の映画)
4.0
牛の次は山羊がたくさん🐐🐐🐐

現代を生きる最後の遊牧民族の物語。肝っ玉おばあさんが素敵。スカーフなどの民族衣装がカラフルな花柄で見てて楽しい。

遊牧民族の伝統を守るため踏ん張るおばあさん。大好きな『乙嫁語り』の実写版のようで、映画としても文化としても後世に残したい作品。そんな社会性もあるけど、全体的にかわいらしくて見てて飽きない。さすがトルコ映画の物語センス。岩波ホールでたぶんやりそう。

テントの中で子どもと子ヤギが一緒に寝たりじゃれあったりしてて可愛いすぎた。子ヤギというか赤ちゃんヤギかな?

ぜんぜん本筋ではないが、羊飼い叔父さんと車椅子のお姉さんとの仄かなロマンスにほっこり。これだけでもいい映画ができそう。

本筋以外にいろんな人物に細かいエピソードが盛り込まれてて、朝ドラにしてそれぞれじっくり描いてほしいなと思った。

ラストの子どもの詩が心に刺さる。

(以下、うろ覚えの詩)
テントには5本の柱。
祖母、祖父、叔父、叔母、叔父?
テントの隙間に風が吹くと寒いというが
縫い目の穴はたき火の煙が埋めてくれる。
地面は硬いというけれど、そこは自然の懐だ。

ラストの高地への旅立ちのショットに震える。ラクダたち、ヤギたちが向かう壮大な高地への景色が絶景。🐪🐫🐐🐐🐐🏔

エンドロールでもヤギ追い立てる声が続く。ハッ!ハッ!🐐🐐🐐
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