アメリカから来た少女／アメリカン・ガールのragaのレビュー・感想・評価

台北に住む家族の諍いを憂うように映し出す撮影が印象深い。主人公の長女フェンが自身の主張と家族や社会との乖離で苦悩する心情を巧みに描いている。本当の望みは何か、自由という権利と行動に伴う責任との平衡にまだ気付かない未成年の苛立ちが大好きな馬との対面と苦心する父親の言葉でほんの少しだけ成長する。日常は劇的に変わらない、しかし心の解放は生活の片隅に宿っている。それを映像を通して表現するロアン・フォンイー監督の手腕に感嘆する。