雨空

べネシアフレニアの雨空のレビュー・感想・評価

べネシアフレニア(2021年製作の映画)
-
多くの観光客をのせた大型クルーズ船。ヴェネツィアで生活をする人々は大型クルーズ船、観光客にたいしてデモをおこなっていた。そんなヴェネツィアでは観光客を狙った連続殺人が発生。友人5人で観光に訪れた主人公たちも狙われる。

ヴェネツィアの美しさと迷路のように入り組んだ街。仮面をつけた人々が闊歩し雰囲気は最高。しかも冒頭でヴェネツィアについた5人が、パンフレットに書かれた歴史や場所の紹介を読み上げては行きたいだとなんだのと言う場面があるのだけど、ペストで亡くなった人々が積み上げられた島だの、あまりぞっとしないものばかりなのも良い。
殺害の場面は思い切りもいいし悪趣味な部分もあるしでこれぞまさに。多くの観光客に囲まれているなかでの殺害はもう皮肉が効きすぎていて胸が痛くなる。
知らない土地、国へ観光しに行くことの姿勢、みたいなところも考えてしまう。ただただ消費することや、そこでまさに住んでいる人々の存在を忘れてしまうことだったり。とくにフィクション、見世物だと言われたらそのまま消費して終わるところとか。そういう意味でもグロテスクさを感じられる映画だった。
雨空

雨空