リーアム兄さん

ヒューマニティ通り8番地のリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

ヒューマニティ通り8番地(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
ガブリエル「女性名詞だ。」

新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウンとなったパリ。人々は毎晩医療従事者に拍手を送りながらステイホームの生活をしていた。コミュニティー通り8番地のアパートでも住人たちが外に出ることができない窮屈な日々を送っていた。それぞれの住人が同じアパートにいながらもあまり交流がなかったが、コロナ禍でアパートの1階にある医療研究所の研究者ガブリエル(イヴァン・アタル)がPCR検査を始めたことから、初めて全員が同じ場所に集まることとなる。住人一人一人はコロナ禍の生活にうんざりしており、言い争いや嫌味の言い合いから始まるが、徐々に交流を深めていくことになる。ロックダウン下で外の人との繋がりがなくなった一方で近所付き合いにより人々は心の温かさを取り戻していく。

コロナ禍の生活にフォーカスした人間ドラマが展開されるNetflixオリジナル映画。
コメディながらも、コロナでの人々の心の変化や生活の変化を1つのアパートにギュッと詰めた、まさに時代を描く映画。
コロナがこの世に生まれてこなければ、この映画自体は撮影されることがなかったと考えると面白い映画と出会えたと思う反面、複雑な気持ちになった。

フランス映画特有の癖の強い登場人物と少し間抜けな警官、科学者、毒素のあるジョークが満載で手応えがあり、「新型コロナウイルス」という世界共通のテーマで共感を持つことができる映画だった。