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君は行く先を知らないのyontanuのレビュー・感想・評価

君は行く先を知らない(2021年製作の映画)
3.8
試写会にて

勝手に情報も観ずにパナヒ映画やと思って、パナヒなんか撮ってたんだ?と思ったらパナヒ長男だった!

どっちかというとパパパナヒよりもシリアス度と会話が多めのだけれどもコメディにもなる作りだった
長男と次男を乗せて最初から何か不穏な空気が車中からあるのだけども、その理由が明確には語られないまま映画は続く
けれどもイラン映画なんかを観ている人たちはきっと何かしらわかるんじゃないかな?くらいのわかりやすさはあったと思う

彼らの向かう先が悲劇じゃなく、幸福であればいいなと思いながら観てた
そこまでは語られないけども、多分悲劇のほうが近いんだろうと思いながら

そんな家族でのロードムービーの中の一筋の光というか一人の怪獣と呼べる次男の存在がほんとに救われた…
めちゃんくちゃんにうざくてうるさくてイライラさせられるんだけどもとんでもなく癒されて救われる存在でもあって、後半はもう彼なしにこの映画は存在しないんだなって気持ちになった

途中の超引きの長回しが2度ほどあるけどもそこがすごくよかった…想像力を掻き立てられるし全体が見えてめちゃくちゃお母さんに共感できたりもした

やっぱりイラン映画ってすごいな、
トークでも話してたけども、
監督たちからの手紙のようなものなんだよね、イラン映画って。
そうじゃなく好きな映画を撮れるようになるのがほんとは1番幸せなことなんだけど、な。
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