コーディー

君は行く先を知らないのコーディーのレビュー・感想・評価

君は行く先を知らない(2021年製作の映画)
4.2
何処かに向かって車を走らせる家族の口は悪いが愛情溢れる関係と、そんな和やかな旅にジワジワと覗く哀愁。
寡黙な長男と駄々をこねる幼い弟、ふと憂いの表情を浮かべる父など他愛ない時間の中に映し出される家族のこれまでとこの先…
可笑しさに包まれた秘密が胸に迫る傑作!

旅の目的に〝秘密〟があることは早い段階から推察できるけど、そこに引っ張られる事なく冗談混じりに罵り合ったり、ヤンチャな弟がずっと騒いでたりwありふれた家族の描写がまず魅力的で家族の個性を捉える空気感や控えめに笑いを誘う会話のセンスも素晴らしい!と、いつしか家族の旅に同行していた。

広大な自然の中を走る小さな家族がどこに向かうのか、未知への畏れを抱えながらも懸命に足跡を刻もうとする様子が胸に焼き付くし、そこに至るまでの愛すべき家族の肖像が深い感情と共に溢れる終盤、その豊かな表現力も含めて、大好き!
あと忘れちゃいけない家族の一員、愛犬ジェシーも最高だったよ。

ず〜っと喋って動き回ってる末っ子ちゃんがホントに可愛くて、家族全員が無視しても相手してくれるまで絡んだり、父親とはもはや漫才みたいな掛け合いで笑わせてくれた。
と言うかユーモア溢れる家族のバランスが大好きやし、個人的に肌が合い過ぎたのがこの映画が好きで堪らない一番の理由ですw