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レギオンのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

レギオン(2010年製作の映画)
2.5
天上の神による人類粛清が始まる。心の弱いものは天使に取り憑かれ、恐ろしい顔貌へと豹変する。様々なコンプレックスを抱えた人々が集まった砂漠のダイナー《PARADISE FALLS》にも、最後の時が迫っていた。


◆ Come, you children, listen to me.

ー子らよ聞け。
神の恐ろしさを教えよう。

『詩篇』34篇11節の引用から幕を開けた今作。キリスト教における終末をテーマとしていて、《‎黙示録》の幕開けのような世界が禍々しく描かれています。

神による人類の粛清開始が描かれた作品であり、異変は世界規模で進行しているようであるにも関わらず、描かれているのは《天使たちの街》ロサンゼルスにほど近い砂漠にポツンと佇むダイナーだけ。小さな建物に集まっていたのは堕落しきった個性的な面々であり、苦難に直面した彼らの本質が炙り出されていくのですが、どうしてもスケールが小さくパンチ不足な感は否めませんでした。

キリスト教的な色調の強い作品でしたが、雰囲気だけがそれっぽくて、あまり本質が伴っていませんでした。なんちゃってオカルト作品という印象を受けます。


◆ I will teach you the fear of Yahweh.

キリスト教的終末を迎える人間たちの動態云々よりも、熾天使であるミカエルとガブリエルの選択こそが今作の肝であったような気がします。

ボス(神様)の命令に対して、諌言するのか盲従するのか。この差を描きたいが為であれば、キリスト教的プロットがおざなりになってしまうのもやむなし。


今作で印象的だったのは、天使に取り憑かれた気持ち悪い人間たち。中でも、忘れられないトップ3が「生肉をむしゃむしゃした後に暴言を吐いて天上這いずり回るおばあちゃん」「両手が伸びて顎が外れたアイスクリーム屋さん」「可哀想な仕草で油断させて不意打ちを仕掛けるエグい少年」


取り憑いているのは、本当に天使ですか?