80年代の取りこぼし
ジョン・シュレジンジャー
『コードネームはファルコン』
演出がこれだけ匠なのに映画そのものの仕上がりが凡庸な印象しかもたらされないのは『真夜中のカーボーイ』の(苦悩)が全く希薄だからでしょうか。
それより私が魅入られた点は当時どちらも25歳だったティモシー・ハットン➕ショーン・ペンの圧倒的な存在感。
このふたりを知ったのはハロルド・ベッカーの佳品『タップス』で共演した時。
当時10代半ばの私にとって、あちらにはこんな事まで出来るハタチの役者がいるのかと、興奮したものです。
現在の日本映画には屈曲の襞(ひだ)まで体現できる若手俳優がたくさんいますが80年代には少なかった気がします。
今では大ベテランのケビン・ベーコンやジェニファー・ジェイソン・リーだって、この頃既に何かが匂ってました。