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銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章のkanacoのレビュー・感想・評価

3.8
遠い未来、銀河の歴史を彩る英雄たちの活躍を描く宇宙活劇『銀河英雄伝説』を2018年から改めてアニメ映画化。とはいえ今回は本筋となる大戦や革命ではなく主役を支える周りのキャラクターを深堀するエピソード系の回。シリーズを通して見ている方やユリアン、双璧、オーベルシュタインがお好きな方向け🧐(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
帝国暦489年(宇宙暦798年)1月、自由惑星同盟軍と銀河帝国軍の遭遇戦が勃発。この戦いで自由惑星同盟軍の将官ヤン・ウェンリーの養子で後継者であるユリアン・ミンツ が新兵としての初陣を迎える。一方、銀河帝国では帝国の全権を手に入れ事実上の最高権力者となったラインハルト・フォン・ローエングラムがこれまでの腐敗した貴族階級による国家体制に対し様々な改革を行っていく。ラインハルトの忠実な配下であり〈帝国軍の双璧〉と呼ばれるロイエンタールとミッターマイヤーは、2人がラインハルトに忠誠を誓ったある重要な日のことを回想する。

❶遠い未来、銀河の歴史を彩る英雄たちの活躍を描いた宇宙活劇のアニメ映画化!

『銀河英雄伝説』は田中芳樹によるSF小説です。舞台は遠い未来。人類が地球から他の惑星に政治中枢を移動し銀河連邦が設立。後に銀河連邦首相ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが銀河帝国の初代皇帝を称し〈銀河帝国〉が誕生。銀河帝国が王政かつ貴族の特権階級によって歴史を刻んでいく中、帝国の支配圏外に脱出した共産主義者たちが〈自由惑星同盟〉を誕生させます。

この〈銀河帝国〉と〈自由惑星同盟〉の2大勢力は150年以上の宇宙で戦争を続けていましたが、それぞれの陣営で若く天才的な軍人英雄が現れます。その英雄…〈銀河帝国〉”常勝の天才”の異名を持つラインハルト・フォン・ローエングラムと〈自由惑星同盟〉”不敗の魔術師”の異名を持つヤン・ウェンリーの2人をメインに、戦争や政治思想、社会思想、歴史を揺るがす事件、重要人物たちのエピソードを群像劇や歴史学者の観点にて後述で記していくという歴史・戦争小説の形とるシリーズです。

原作は全15巻の小説。1986年頃より道原かつみ版が、2016年頃より藤崎竜版にてコミック化。アニメ化も1988~版と2018年~版で始動。他にもゲームやCDなど色々な媒体で展開しています。自分の歴で言うと、原作小説も道原かつみ版のコミックも持っていましたがそれは高校生の頃ですし、一番直近で読んでいた藤崎竜版コミックは6巻くらいでフェードアウトしてしまったので正直あまり記憶がない…😂

というか、実際読んでいた高校生の頃も戦争の話よりはキャラクター萌先行で読んでいたので好きなキャラクターが出てくるところしか真剣に読んでなかったというのが事実…(そりゃぁ内容を覚えてない!好きな人ごめんなさい🙏)。ただ、その読み方であっても人間が固執し繰り返す戦争、政治や権力、イデオロギーの争いやそれによって生まれる人間ドラマは印象深く、長い歴史が綴られる中でどんなにメインにいるキャラクターであってもいつ突然に死亡するか分からないという恐怖感は記憶に残っています。

❷本作は主役を支えるキャラクターの深堀エピソード回

本作は2018年から始動している『銀河英雄伝説』の新作アニメーション。1988版アニメのリメイクというよりは原作を改めてアニメ化…というスタンスみたいです。また映画ではありますがエンディングを見たら25話26話27話28話だと流れてきたのでそういう構成の映画なのですかね。シリーズとしては〈銀河帝国〉と〈自由惑星同盟〉の戦争や歴史を両面から描くのが本筋ですが、今回は対戦がメインではなく主役のラインハルトとヤンを支えていく重要キャラクターたちの深堀回という感じ。

25話 ユリアン・ミンツ の新兵としての初陣
26話 双璧の回想 ラインハルトとの出会い 前編
27話 双璧の回想 ラインハルトとの出会い 後編
28話 ラインハルトの改革、オーベルシュタインと犬

という感じでしょうか。『銀河英雄伝説』は群像劇でもあるのでメインキャラクターにちゃんとドラマがあるのが良きです。

本作を見てまず驚いたのは作画の綺麗さ!一番親しんだ絵柄は道原かつみのデザインですし1988版のアニメデザインも印象に残っているのですが、本作はかなり今風にデザインされていてこれはこれで見やすくて良い!

何よりみんな揃ってイ…イケメンだ…!!!(大歓喜)🥰

ストーリーは記憶から抜け落ちていても、名前やビジュアルやキャラクター特性はまだ記憶に残っているので銀河帝国側も自由惑星同盟もキャラクターが出てくる度に懐かしくてテンションがあがり「わーい!久しぶり~!!」と手を振りたい気分でした(どんなだ)。

❸私の好きなキャラクターたちの深堀回なのでそりゃ楽しい🤤💕

私の今回のお目当ては双璧の回想話。銀河帝国軍ラインハルトに仕える忠実かつ有能な部下で〈帝国軍の双璧〉と呼ばれる提督ウォルフガング・ミッターマイヤーとオスカー・フォン・ロイエンタール の両名が、ラインハルトと彼の親友で同志であるジークフリート・キルヒアイスにどのように出会ったのか…〈クロプシュトック事件〉及び〈ミッターマイヤー暗殺未遂事件〉を描きます。ミッターマイヤーは私の銀河英雄伝説の中の不動の最押し!双璧の人柄やその仲が描かれるこのエピソードは原作の中でも好きなのですが、今作アニメでとても丁寧に描かれていたのでHAPPYでした!

ウォルフガングとその妻エヴァンゼリンが可愛くてミッターマイヤー夫妻の尊!女嫌いでクールな金銀妖瞳の美男子ロイエンタールが親友ミッターマイヤー夫婦には優しい目を向けるのも尊尊! !ラインハルト、キルヒアイス、ミッターマイヤー、ロイエンタールの4名が和やかに話す姿、尊尊尊! !!

キルヒアイスがいる頃の精神的な安心感、プライスレス(主に私の心の安定が)!

なお2番目の押し〈自由惑星同盟〉側の主人公である天才軍師ヤン・ウェンリーもやっぱり人柄が好きだなぁ~と再確認。キャラクター的には〈銀河帝国〉側の方が好きなキャラクターが多いのですが、チームとしての雰囲気は〈自由惑星同盟〉もといヤン・ウェンリー陣営の方が好きなのですよね~🤔

📖🐝「田中芳樹の小説は『銀河英雄伝説』と『創竜伝』しか読んだことがないのですがちょっと読み返したくなってしまいました。この心機一転のアニメシリーズも見たいけど…毎回800Pかかる…😥他のポイント映画が見ることができなくなっちゃうから悩むな🤔」
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