ちよ

プラーグの大学生のちよのレビュー・感想・評価

プラーグの大学生(1926年製作の映画)
3.5
プラーグの大学生(Der Student von Prag)は、1926年のドイツ映画。Henrik Galeen監督。舞台美術はカリガリ博士を担当した1人のHermann Warm。主演2人はカリガリ博士で共演したConrad VeidtとWerner Krauss。撮影はドイツ表現主義で重要なカメラマンの1人Günther Krampf。

ドイツ初の芸術映画であるプラーグの大学生(1913)のリメイク作品!ブロッキングやフレーミングに重層的な意味を考えて撮影された13年版と比べ、26年版はショット数が多くなりそうした意味が薄れているように感じるが、代わりに13年版より更に映画的な撮影になった。ショット数の多さでテンポが与えられ、俳優の顔やモチーフのクロースアップショットでテンポや意味が加えられ、Günther Krampfによって技術の高いより効果的な撮影が可能になった。

特にHermann Warmの仕事で建物もおそらくセットを使い、歪んだ建物にペンキが塗られ、またGünther Krampfの照明をキツく当ててコントラストを強くする2人のドイツ表現主義の独特な手法が合わさり主人公、また当時のヴァイマル共和国民の不安な心理描写を実現したように思えた。

サイレント映画を初めて映画館で見たし、初めて劇伴付きで見て感動。イケメンドッペルゲンガーに感激。
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