歩く肉

狼と羊の歩く肉のレビュー・感想・評価

狼と羊(2016年製作の映画)
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アフガニスタンの山間地域に住む遊牧民の日常を描いているが、特筆できる箇所が無く、本当に淡々と(特に子どもたちの)日常を映しているだけ。監督の自伝的な要素を含んでいるでしょうけれど、感傷的な描き方ではないから、そこに対して郷愁を覚えられる訳でもなく、かと言って、タリバンによって蹂躙されるまでの村の平和を強調したい訳でもなく、あまりにものっぺりとした印象を受けた。民族、文化に根ざした特殊性に甘えてるように思える。

タイトルの「狼」は、自然の聖性とそれに対する畏怖を、「羊」は日常を象徴してるのかなと思うけど、前者の抽象的な表現が、なんとなく「闇のあとの光」を彷彿させて微妙だったし、後者に至っては、作品の1/4が人と羊が取っ組み合いしてたから、そのまますぎて…何かしらの捻りが欲しかった。
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