最後に見た2019シーズンの「さまよえるオランダ人」から、1年半ぶりにMETオペラを劇場で鑑賞しました。
2021シーズンの開幕作品は、ムソルグスキーの「ボリス·ゴドゥノフ」。
今回上演された1869年版は初めて見ましたが、権力を手にした者の悲哀劇というテーマについては、こっちのバージョンの方がスッキリとまとまった感じで良かったと思いました。
また、演出についても、大きな年代記が舞台上に存在することで、歴史物としての本作を上手く表現しているなぁと感じました。
主演のルネ·パーぺ氏の歌声も素晴らしく、特に第5場の「わたしは最高の権力を手にいれた」は聞き所でした。
あんな感じで、権力者の悲喜交々の独白を長く聞かせるのは、普通の映画では難しいと思いますので、やはりオペラなどの舞台劇の良い面だなぁと改めて思いました。
1面半ぶりで、個人的には5回目のシーズンも完走できるよう、残り9作も楽しみに見続けていきたいと思います。