このレビューはネタバレを含みます
大学で物理学専攻だったので, Einstein! Niels Bohr! Heisenberg! Los Alamos! Feynman! とかつて学んだ偉人たちが登場する度テンションが上がったし, 世界有数の科学技術大国である米国で, 量子論が Oppenheimer 着任以前あまり浸透していなかったというのは意外だった.
戦勝国視点で彼の手腕や功績を礼賛する作りかなと身構えていたのだが, 彼の繊細さや元共産主義者でセキュリティクリアランスに問題があったこと, 女性関係と家庭内不和, 原子爆弾投下後の苦悩等, Oppenheimer 自身に焦点を当てた構成になっていたのが少し意外だった.
原爆の威力や悲惨さを想起させる演出(焼け焦げて崩れた人体, 光に包まれ顔がただれる女性, 一瞬にして消滅する人々, 衝撃波による振動のような音等)はあったが, 抽象的なため観る側で補完できない場合の伝わり方はかなり限定的だろうなと.
ぜひ日本でも公開してもらいたいが...