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オッペンハイマーのuncletkchanのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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テネットでも言及されているオッペンハイマーのマンハッタン計画。本作ではテネットでのセリフがほぼそのまま描かれている。

Priya: "Are you familiar with the Manhattan Project? As they approached the first atomic test, Oppenheimer became concerned that the detonation might produce a chain reaction, engulfing the world."

Protagonist: "They went ahead anyway and got lucky."

しかし、オッペンハイマーの本編では、”and got lucky”という部分は、狭義では正しいのだけど、広義では否定されている。

同時期の日本がWWIIでアジアを次々と侵略しアメリカまで攻撃する…という今考えれば明らかに無謀な判断を誰も止められなかった…オッペンハイマーはそのアメリカ版のように思えた。そんな狂気が描かれる前半は、日本人としては耐え難いし、広島や長崎の方にしてみればそれどころではないだろう…。それでも、日本公開されるべき作品なのは間違いない。被爆国として、同じ様な過ちを二度と許さないためにも。


それにしても想定外の豪華キャストは楽しめた。(主演のキリアン・マーフィー以外のキャストは知らなかった。)

SAGのストが解決される頃、日本公開が決まり、メインキャストの全員が来日して、広島の平和記念公園でイベントが行われないだろうか…なんて妄想をしてしまう。

ノーラン作品の集大成?的なレビューもあるようだし、もちろんこれまでの積み重ねからの本作なのは間違いないが、監督のテーマへのアプローチや演出は、また新たな映画との対峙のように自分には映った。


@TCL Chinese Theater
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