"全てのピースメイカーに捧げます"
キリアンマーフィーがオスカー受賞後のスピーチで語った言葉そのままの作品でした。
安易に傑作だとか言えないほどの衝撃作で、映画を観るというよりは、歴史に足を踏み入れたような感覚に近かったです。伝記映画として上質で、一つの映画としても音や演出、構成が巧みで、特に主観的に描かれる部分と事実を描く部分の魅せ方に関しては唸るほど。一時たりとも緊張からの解放を許してくれません。悔しいレベルですよもう。
決して被爆国を冒涜するようなつくりでは無く、戦勝国視点で語る原爆研究の意義や後顧の憂いが見られる貴重な作品でした。
難解なテーマに対して誠実に向き合った監督やキャストをはじめとする製作陣に敬意を表します。
