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オッペンハイマーのwanboのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.6
ノーランファンにとって待ちに待った瞬間がこの映画のおかげで訪れた!
ついにノーラン監督の手にオスカーが( ; ; )
本当はもっと早く獲るべき人だったけど、とにかく今回こう言う形でノーラン監督が評価されてファンとしては嬉しい限り!!

そして肝心の本編は、、、とにかく複雑!!笑
ノーラン監督といえばやはり「時間を操る」と言うことを映画の中で仕掛けてくる人。
今作も時系列が非常に複雑で、「メメント」や「フォロウィング」を彷彿とさせる複雑さ。

大きく分けると、オッペンハイマーの視点とストロースという人物の視点で物語が進み、オッペンハイマーはカラー、ストロースはモノクロと一応区別できるようになっている。
ただ、オッペンハイマーの視点でも過去の回想が入るし、ストロースの視点でも過去の回想が入り、それらの時系列がバラバラで交差していくので、今これはどこを描いているのかが瞬時に判断できない。
加えて登場人物がめっちゃ多い上に、その一人一人の詳細などは全く語られないので、上映前に重要人物などの予習は必須!!
自分はある程度予習していったのでだいぶ理解はできたほうかなと。

構成は複雑だけど、オッペンハイマーという科学者がその探究心のもとで生み出してしまった原爆とはどういうものか、またそれを人間はどう使ってしまったのか、それを知った彼のその後の苦悩を見事に描ききった映画だと思う。

そして、なんと言ってもこの映画はノーラン映画には欠かせない俳優キリアンマーフィーの演技!!
「あなたのためならどんな役でも出たいと」とノーランとの信頼関係バッチリな彼は、過去にいろんなちょい役で度々ノーランの映画に登場してきたが、それがついに主役での抜擢!
実はキリアンは「どんな役でも」とはいいつつも、あるインタビューで「でも心の奥底では彼の映画に主演で出ることを切望していた」と語っていた。
なのでこの抜擢はキリアン自身にとって嬉しさは計り知れないかと。
おまけにアカデミー賞の主演男優賞まで獲れて出来すぎてる!
ノーランファンで彼を嫌いな人いないと思う。

他にも、ロバートダウニーJr、エミリーブラント、マッドデイモン、ゲイリーオールドマンなど周りの俳優陣が豪華すぎる。

最後に、
この映画に対して「広島長崎のことが描かれてない」という人がいるが、その批判は的外れにも程がある。
この映画はオッペンハイマー自身の視点で描かれているので、当然広島長崎のことを直接見たわけではないんだからそのシーンを描くはずもないし、原爆の悲惨さなどを訴える映画でもないんだしそんなのを描く必要もない。
また、そもそも広島長崎については映画のなかでもかなり触れられてるから、結局は批判してる人たちは見てもないのに「原爆」という言葉に過剰に反応しているだけ。
こう言ったナンセンスな批判をする人たちのせいで公開が遅れたことに、映画ファンとしては腹立たしい限り。。。
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