フクロウ

オッペンハイマーのフクロウのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

オッペンハイマーの良心の呵責と贖罪に落とし込むと思いきや、それすら超えたところに着地した。映画としての面白さやわかりやすさを重要視するならもっとわかりやすい落とし所があったと思うが、あえて万人には理解し難いところまで踏み込んだような気がする。
アインシュタインとオッペンハイマーだけが、卓越した視野を持っているような描写だったが、その中でもアインシュタインだけがオッペンハイマーが行き当たるであろう苦悩を見通して回答まで用意しているのは格の違いを感じた。おそらくだが、アインシュタインは世界を変えてしまった自分やオッペンハイマーを上から裁ける存在はいないと諦観していて、自分で見つめるしかないと言ったのだろう。その上でオッペンハイマーが許しを与える側に立つとした提言は圧巻だった。

ラストのアインシュタインとオッペンハイマーのシーンこそ考えさせられたが、映画全体を見れば、ストーリー展開も映像美も期待を超えるものではなかった。