第96回アカデミー賞7部門受賞作にして、敬愛するクリストファー・ノーラン監督最新作。
正義と悪、決定権と責任、戦争の悲しみなどが、原子爆弾開発を指揮したオッペンハイマーの半生を通して描かれる大作。集中力が衰えた私に3時間飽きさせないノーランの力量には感服するばかり。
ただ一方で、「オッペンハイマー事件」の知識がないと完全に置いてけぼりを食らう。鑑賞予定の方は同事件の初歩的知識は持っていくべきか。
それにしても当初は俳優陣の演技に期待していたが、その充実ぶりの方が驚いた。次から次へと見た顔や意外な面々が現れなかなか楽しかった。
本作の目玉である「マンハッタン計画」の「トリニティ実験」は映像と音の迫力が凄まじい。日本に2箇所(池袋と大阪)しかない「IMAXレーザー/GTテクノロジー」で体感してみたい。
冒頭のプロメテウスの引用がすき。