ゴースト

オッペンハイマーのゴーストのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.0
ロスアラモス国立研究所で原爆を作るマンハッタン計画に参加し、「原爆の父」と言われたロバート・オッペンハイマーの生涯を描く。

ドイツが降伏し、ソ連と軍拡競争に突入したアメリカ。原爆を製造し、敗北寸前の日本の広島、長崎に原爆を投下する作戦に対して、大量破壊兵器が使用されることが正しいのかということが、科学者のオッペンハイマーとアメリカ政府の2つの視点から精密に描かれる。

政治的な会話シーンが多く、カット割りは、より早く細かくという流れなので、脚本のテンポは速く、やや慌ただしいような印象を受けた。オッペンハイマーの心情や、アインシュタインとの会話がもう少し観たかったかところだが。 ストーリーテリングがもう少しゆったりゆっくりしていれば、より分かりやすく観やすい内容だったのではと思う。ノーラン監督の得意とする、宇宙や物理学、時間の概念の表現が上手く出ていなかったようにも感じた。

だが、反戦性は強い内容で、オッペンハイマーが投下後に苦悩するパートは見応えがあり、その部分に関しては目を見張るような心理表現だったと思う。
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