このレビューはネタバレを含みます
2024年60本目
無音と轟音の恐怖。
これは絶対映画館で見るべき映画だ
自分の作ったとんでもねぇ爆弾が
投下されるのかされないのか、
その規模も理論上でしか分からないまま
大虐殺を起こした罪の意識と周りからの賞賛と喝采のコントラスト
人を殺して賞賛されるのは暴力と同じぐらい痛かった。
そしてまさにここに原爆が投下されたら？と想像する彼の脳内が、私が歴史の授業で原爆について習った直後のそれと同じだった。
そうか彼も自分と同じただの人間なのだ、と強く感じられるシーンだったと思う。
世界平和のために水爆を作ってはいけない、どの国も持ってはいけないと判断したオッペンハイマーを
目先の利益しか考えずに陥れようとする奴ら
嘘ばかり並べて大勢人を殺しても何も感じていなそうな彼らを見ながら
原爆の大爆発がよぎるところとか、
ノーラン、私の思考回路を見透かしてる？と思った。
今この瞬間にも恐ろしい原爆が投下されるかも知れないのに、もっと恐ろしいものを作るために審査だの政治だの承認だの言ってる人間の小ささよ。
悲しいけどそれが文明であり社会なのかもしれない。
とにかくオッペンハイマーの心情描写が素晴らしく、思い出すたびに鳥肌が立つ
メモ
・フローレンスピューの裸体
・二度もペンを払われるラミマレック可愛い
・That’s for them.のあとの手を出さないキティが最高
・広島の写真を直視できないオッペンハイマー
・JFケネディ！!
・夫婦の絆
