ManOfIron

オッペンハイマーのManOfIronのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

◯まるで名優のバーゲンセールだな…。知ってる人が大量に出てくる
◯高校物理で聞いた物理学者がたくさん登場する。この20世紀前半という時代が、ニュートン力学から脱却した量子力学への展開が行われ、量子力学分野の天才たちが次々と現れ新たな業績を残していくクアンタム群雄割拠の時代であったということを実感した。また、そのほんの少し前に世界を変えたアインシュタインが、量子力学を否定する旧時代の巨人として描かれている点もなかなかかっちょいい。(というか、アインシュタインが出てくる映画って何気に観たことなかった。)
◯ノーラン監督らしく、一つのジャンルに収まらない映画だった。なっがい上映時間に見合うだけの満足感(満腹感?)を与えてくれる大作だったと思う。

・あまりに多くの要素が複合した映画で、更に後半の物語は赤狩りやストローズに関する史実を知らないと中々複雑であり、観ている間はそれらを飲み込もうとするだけで精一杯だった。というのもあり、正直被爆国の国民としての視点から評価を行う余裕は無かった。戦争を早く終わらせ無駄な死傷者を出さないために原爆という方法が最も効率が良いと考えたと言われたら、そうなんだと思うしかない。実際、原爆が無かった場合にどれだけ戦争が長引いてどれだけ追加の死者が出たかは誰にも分からないのだ。なので、原爆を発明したこと、それを落とすと決定したこと、投下のスイッチを押したこと、それら全てを一つの視点から断じる事はできなかった。
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