まつけん

オッペンハイマーのまつけんのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3

オッペンハイマー アメリカ 2023年 180分

いつ日本上映されるのか、されないのか、、なんてモヤモヤし続け、原爆についての映画だから日本ではなかなか公開が難しいなどありましたが、、映画なんだからそこの線引きは要らないでしょ。
アカデミー賞取ったから公開されたのだとしたら商業的で気持ち悪い。でも観るけどね!

3時間の超大作、戦争映画ではなく、オッペンハイマーとストローズの人物描写を描き続ける。
オッペンハイマーのストーリーはカラーで、ストローズは白黒。時間軸もごちゃごちゃ。
小難しいなんてコメントも多いですが、観終わった感想としては観て良かった!すごくいい映画でした。

途中、オッペンハイマーが万雷の拍手で迎えられるシーンがハイライトかと思って、
ふむふむ、オッペンハイマーの心情はこうだったのかもだな、なんて思っていたら、そこは中盤くらいで、なんだ中弛みするのか?!と思ったら、むしろそれによって、あれ、オッペンハイマーの心情は本当はどこにあるの?!なんてモヤモヤさせてくれるじゃないですか。(登場人物多くて、後半見失いそうになります。事前に公式サイトの人物とか読んでから行った方が良いかも)

この映画、原爆落とすまでの映画ではなくて、オッペンハイマーは原爆の父として英雄視される一方、敵も多く、また過去の繋がりから、赤狩りの対象になり、糾弾されていく、という自伝的な映画です。
そしてメインプレイヤーは勿論オッペンハイマーですが、ストローズもまた重要なキャラクターとして。

原爆投下シーンが無いことで物議を醸していたようですが、敢えて投下シーンを見せないからこそ、伝わる恐怖もあった気がする。
元々ナチスの開発に負けないように開発を始めて、ナチスに落とすために実用化させたのに、そのナチスが降伏して、使う必要ないじゃん!ってなったのに、この原爆を作り、投下する機会を持つことが重要なのであるという発言には、そこは最早科学者としてのオッペンハイマーではなく、何かに魅せられた顔があったんじゃないかなぁ。

とりあえず、アカデミー賞取るわ、こりゃ!ってくらい映像もストーリーも演技も、圧倒的でした。

人気で前の方のIMAXの席しか取れなかったけど、音で体がずーんってするのがまた良かった。

クリストファーノーラン 、ダークナイトの心理描写が最高過ぎて大好きなんだけど、TENETのような科学・物理学の要素も相まって、完璧な大作でした。

戦争映画じゃ無いので派手さとかは一切無いし、無駄な生々しい不倫シーンとか要らないものもたくさんあったけどね!

---あらすじ---
第2次世界大戦下。アメリカでマンハッタン計画が極秘裏に立ちあげられる。参加した天才科学者J・R・オッペンハイマーは、優秀な科学者を率いて、原子爆弾の開発に成功する。しかし、投下された原子爆弾が引き起こした惨状を知った彼は、深い苦悩を抱える。
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