榎木津

オッペンハイマーの榎木津のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
なんで上映を反対するアンチがいたのか疑問になるくらいいい映画だった。むしろ日本先行公開にしても良かったと思うくらい。

基本会話劇なので、途中までIMAXで観る価値あるのかと疑ったけれど、ノーランならではのすごい実写シーンがあるのでできるだけ大きいスクリーン、大きい音で観たほうがいい。

難点は、基本的史実はわかってる前提の映画で情報量が多く、オッペンハイマーとアインシュタインの時代、原爆と水爆の違いなど、軽く予習はしておかないと混乱する。そもそも時間軸オタクのノーランなんで時間軸が4つはある。どれが戦前、戦中、戦後なのか時系列が分かりにくい。冒頭のアインシュタインは戦後。

でも、物理学の映画でなく人間ドラマ。途中までピンと来なかったロバート・ダウニー・Jr.のこれまでと違った演技が良かった。ピューちゃんの体当たり過ぎる演技もびっくりした。この二人は息の長い役者になるだろう。チョイ役も豪華俳優なのは監督の人徳だろう。

ノーランの最高傑作とは思わなかったけれど期待通り面白かった。原爆の話でなく、分かっていても人は後悔するという人間ドラマ。
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