本国公開から約8か月
待ちに待ち続けてようやく公開。
配給会社の「ビターズ・エンド」のロゴが流れてきた時は軽く拍手してしまった。
配信やソフトスルーにせず
ちゃんと映画館で、ちゃんとIMAXでやってくれて本当にありがたい。
ノーラン監督の最新作であり
アカデミー賞作品
映画的に面白いのは確かだが
結論、日本人なら見ておいた方がいい作品なのは間違いない。
原爆や核について因縁深い日本人だからこそ
トリニティ実験の描写や、
オッペンハイマーが幻視するとあるシーンの捉え方が他国と違うか、より解像度をもって感じられるかもしれない。
原爆実験〜投下までを描く中盤は本当怖い
どんなホラー映画よりも『怖い』
これをエンタメとして描くことが正しいことかは置いておいて、時系列をいじることで
本来なら伝記映画である今作をサスペンス映画的に見せる手法も上手い。
なのていい意味で頭を休ませてくれない。
そして何より怖いのが徹底的に観客がオッペンハイマーに感情移入しやすい演出をつけてくる。
むしろ時系列の操作はエンタメ性を強くする一方で完全には感情移入させない為の補助線にも思える。
無駄なシーンが一切なく、全てに意味がある。
それが一気に集約したラストシーン
「そうオチをつけるか…!」
凄まじい余韻が残る結末に痺れた。
そしてほぼ会話劇なのでIMAXじゃないと楽しめないなんてことはないけれど
、もし観れる環境があるならIMAXがいいと思う。
アップを多用した画面構成は明らかにIMAX画角で設計されているし、音響の圧も相まってここでしか出来ない体験があるので積極的にオススメしたい。