はりやま

オッペンハイマーのはりやまのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

迷ったあげく、IMAXでは無くDolby cinemaで鑑賞。
トリニティテストの爆発や、オッペンハイマーの脳内を駆け巡る原子や放射線の描写を、鮮やかなスクリーンで観ることができて良かった。

作品は、非常に見応えがあった。世界で彼しか感じたことのない葛藤を追体験できるなんて、なんて良い時代になったんだろう…。

確かに広島や長崎の被害は直接的に描かれていないが、間接的に感じ取れる描写はたくさん出てくる。そして何より、オッペンハイマー自身の言葉や表情にその恐ろしさが顕現化している。(というかこの場合は、製作陣が「見せない」演出を選んでいるのだから、「直接的な描写がないじゃないか!」とかいう批判は盛大な的外れと思っている。)

脚本面は、なかなかに難解。事前情報0だったのもあり、登場人物の多さと、時代の交錯(※時系列が後のシーンで白黒映像、という直感的理解の難しさも含む)に混乱させられっぱなしであった。鑑賞後にWikipediaを読んで、後追いで理解できた。

また、字幕理解にも脳みそフル回転が必要だと感じた。序盤でリスニング鑑賞に挑戦したが、セリフの密度が濃く、内容も専門的で、私のリスニング能力では全く力及ばず。ただ、かといって単に字幕を追えばわかるかと言われたらそうでも無く、大前提として教養が無ければその場で起きている事象すら理解できないシーンも多い。

こうした難解さから、オッペンハイマー自身の葛藤を感覚的に理解することが難しかった。ベースとなる「自身の研究成果が大量殺戮を引き起こす」ことへの葛藤は分かりやすく描かれている。が、それを越える部分、例えば、反共主義者らとの交わりから生まれる心境などを感じるには、下準備と積極的な鑑賞態度(?)が求められるのかもしれない。

下準備を怠った者として、もう一度鑑賞しに行きたい気持ち…😅
次はIMAXの予定
はりやま

はりやま