人は、どんなにサイエンティストとして優れていても(実際、オッピーはそこまで突出して優れていたわけではないという点も実は重要な点)人の営み、この作品で言うところの政治から逃れることはできず、そこでは清廉潔白なものなど存在せず、明確なイデオロギーの違いや、モラルスタンダードを白黒だけで分けることもできない。ということを描いており、オッピーをヒーローもしくは悲劇のヒロインとして描いてはおらず、かと言って天才の変人という描き方もしておらず、彼だけではなく登場人物それぞれが人間の業そのものであったため、大変見応えのある作品となっていた。