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オッペンハイマーのTmyのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.1
広島市内にルーツがあり、今でも原爆が落ちていなければ、あの街中にうちの土地があり…みたいなパラレルな妄想をしたりもする。一刻も早くその辺に決着をと見てみると、あくまでその人の話であり原爆は添え物のようにも感じる。鑑賞中、こんなの狂ってる、みんな死ねばいい。というほどの感情の昂りもあったが、所詮それが人間だと。ただ生き残りたいだけの。むしろあの頃とよく似ていると思える現状でさえ核のスイッチを連打する大統領が現れないのは不思議でならないし単なる幸運にすぎない。カミーユのオヤジのちアムロ。に見えて仕方なかった。ジーンはめちゃくちゃタイプだし、オッピーに寄ってしまう自分もいる。あの瞬間の炎を祖母も見たのかと思うと…いや何倍もそれ以上の、その後の地獄も。ただ生前、祖母からその話はひとつも聞いたことない。親族からも。平和教育とは別の実情はそうだったりもする。ある種自分が平々凡々のんびりと生きながらえているのは、そうした気遣いの上なのかも。こんな欲に塗れた人間たちの話を見せられると、どこまで行っても所詮ヒトも動物。苛烈な生存競争を最も望むフォームで駆け抜けるにはどうすべきか。と、なんか突かれたのはそこで。最終盤のノーラン節に持ってかれた。結論付けることの危うさの話でもあり、清濁飲み込んで次へ。なんかロスアラモスのシーンで描写されてる空中に白く浮遊する細かい塵だか虫だかにやたらゾクゾクした
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