期待度が高過ぎたのもあるが、割と普通の伝記映画でガッカリ感が否めない。
従来のノーラン映画の魅力だった、ありえん映像の強度で強引に解らせにくるあの感じがない。(本棚の裏の宇宙、街がブチ曲がるシーン等)
純粋理論的な映画を撮ってきたノーランだからこそ、理論物理学者のオッペンハイマーに興味があったのだろう。しかし、本作ではオッペンハイマーは物理学者というより、未熟な政治家として描写されている。単に面白い以上に価値のある映画を期待され、バランスを崩すノーランと重なり、ある種自己批判的な映画と言えるかもしれない。
あとシンプルに登場人物が多すぎるので予習必須。