このレビューはネタバレを含みます
う〜ん、割と退屈な映画だった。
ノーラン監督はヴィジュアルが派手な映画が多いけど、この映画はほとんどが会話劇。
オッペンハイマーが原爆を作る苦労や、原爆投下したあとの罪悪感を中心に描くのかと思ったら、物語の中心になっているのは赤狩りの話で「(ﾟДﾟ)ﾊｧ?」という感じ。
原爆を落としたオッペンハイマーが観客に熱狂的に迎えられるシーンは、日本人として観ていて面白くない。
オッペンハイマーに広島の原爆資料館へ行って欲しかった。
アメリカ人は、原爆で黒焦げに火傷した子供の写真や、放射能の被爆による原爆症で多くの人々が亡くなったことを知らない。
原爆のおかげで日本が降伏して、日本に上陸したら何十万人も死ぬ筈だったアメリカ兵の命が助かった、ということだけを学校で教えられ、原爆投下で広島や長崎の地上が生き地獄となったことなど知らない。
『ターミネーター2』で、サラ・コナーが原爆で骨になるイメージが出てくるが、あれが米国人のもつ原爆のイメージで、被爆者は一瞬にして亡くなったと誤解している。
予想通りとはいえ、原爆で焼けただれた人々の写真や映像を目にしたことがある日本人にとっては、不満の残る出来であった。
