恐怖より人智を超えた美しさが勝った。あと音楽が聞こえるか？からのサントラ最高。細かく音が立っているのが強く音楽を意識させる。
実験を経て現実世界に生み出してからやっと人類にとっての脅威となり得るのだと気づき、そこから贖罪を背負うことに畏怖するタイムラグはとても人間的だが、入り組んだ3時間の時間操作は最終心地が良く畳み掛ける口論は、歴史の正の言語化とも言える。一歩の判断ミスで、踏み間違えればそちらが正しいと決められる的な。ラストは過去への反省というよりは、オッペンハイマーが成しえた功罪のシーソーを未来に託すという意味でも意義深いものだと思う。
TENETの時も思ったが大きなストーリーさえ追うことができれば、あとはリアリティとして蓄積されていくので雰囲気でもいける気がする、特に2回目。ロスアラモスに住んでいた原住民に対しての扱いのほうが広島長崎よりもどちらかといえば雑に思える。それはバーベンハイマーの吹聴だとか、明らかに映画を観た輩たちのキモさに繋がる部分でもある。
