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オッペンハイマーのUUUのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8
「300年の物理学の成果が大量破壊兵器なのか?」
原爆の父オッペンハイマーの伝記映画。原爆を作った彼は何を思うのか?

▼あらすじ
第二次世界大戦が中盤に差し掛かった1942年、物理学者のオッペンハイマーは原爆開発プロジェクトのリーダーに選ばれる。原爆開発に成功するオッペンハイマーだが、これにより彼の人生...そして世界は大きく変わる。

▼感想
ノーランの大ファン、そして日本人として8ヶ月この作品を待った!
ストーリーは「何を」作って、「どこに」落とすのか分かっていたから、破滅へのカウントダウンが刻々と進んでいるように感じた。これはオッペンハイマーの人生にとっても同じことが言えたのかもしれない。

ストーリー構成は正直分かりづらかった。
ストーリーは①オッペンハイマーの聴聞会での尋問、②ストローズの公聴会、③オッペンハイマーの半生の3つが交差しながら進むが、これがかなり混乱する。
登場人物も多くて会話で名前だけが飛び交うため「これって誰のことを話しているんだっけ?」といったシーンも何度かあった。
ノーランの「テネット」のような難解さは大好物だが、このような分かりづらさは自分は否定的だ。

オッペンハイマー演じるキリアン・マーフィーの演技は素晴らしかった!自分は学校の先生に原爆を教わったが、オッペンハイマーは教わらなかった。彼の半生・人間性はキリアン・マーフィーに教えて貰った。もし自分がアカデミー主演男優賞を選べる権利を持っていても、間違いなく彼を選ぶ!
公開後に「広島・長崎の原爆の被害の描写がない」という意見もあったが、自分はオッペンハイマーの表情や言葉で十分だったのではないかと思う。

「良くも悪くも、私たちは皆オッペンハイマーの世界に生きています。」これは、キリアン・マーフィーがアカデミー賞のスピーチで語ったことだ。自分にとってこの映画は今一度「原爆」について考えるきっかけになった。

▼印象的なシーン
核実験「トリニティ」のシーン。爆発の音も凄まじかったが、完成間近の「ジリリリ...」というBGMも不気味で怖かった。
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