たと

オッペンハイマーのたとのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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クリストファー・ノーランによる法廷劇だ。従来の、ノーランを評するに使われた枕詞『時系列』『SF』のイメージは後景に退いている(もう一点、『インターステラー』に顕著だが、詩-----登場人物間で異なる解釈をしている『穏やかな夜に身を任せるな』-----の一面は今回にも観られる。最もオッペンハイマー自身TSエリオットを愛読している)。
閑話休題。
オッペンハイマーという表題だが、オッペンハイマーからの視点だけでは一面的になりすぎると思ったようでルイス・ストロース視点と織り混ぜて映画は構成される。
よくノーランの映画は二度観が推奨されるが、今回はむしろ一度目の前の"予習"が重視される。40年代後半から50年代にかけて熾烈化したアカ狩り、第二次世界大戦末期の世界情勢、アインシュタインの核への考え方は"必修"だろう。

跋文、オッペンハイマーもおそらく読んだであろうTSエリオットの詩
「かくて世の終わり来たりぬ 地軸くずれるとどろきもなく ただひそやかに」は何とも核を予言していたか
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