去年からずっとひたすら日本公開を待ちわびてやっとやっとの公開初日IMAX
ノーラン監督特有の時系列の交差がモノクロとカラーで分けられてることに気付くまでこれ今？過去？ってやや混乱
賛否あるのがめっちゃ分かる内容と描写やった。
戦争が終結してるってことは必ず戦勝国と敗戦国があるから映画の題材としては難しいし
どちらが正でどちらかが悪っていう描かれ方するのがほとんどやから得意ではないジャンルやけど
あれ以上戦争の悲劇描いたら全米公開できなさそうやし、あれ以上戦争支持を描いたら日本では公開できなさそうっていう
どの世界の人が観てもギリギリ許せる絶妙なラインでつくってる気がして
ノーラン監督のそういうバランスの良さがほんま好き。
色んな人がレビューで書いてるように日本人からすると原爆被害の描かれ方がソフトすぎて
実際の被害があんなもんやったんやと思われるのはめちゃくちゃ不本意やけど
自分たちの祖父母や曾祖父母が生きていた時代にあった悲劇を知るきっかけになるのであれば許せないこともなかった
それよりも冒頭で衝動的な殺意に対してすぐに正気に戻りたった1人も殺せなかったオッペンハイマーが気づけば
原爆の父として間接的とはいえ不特定多数大量の一般市民を一瞬にして殺したっていう人の変わりように見る脆さとか
研究を進めることで世界を滅ぼすかもしれない物を世の中に送り出してしまうという恐怖より
科学者としての好奇心が先行して開発に没頭してしまう探究心とか
尊敬しているようで実は内心失脚させたくて仕方ない嫉妬心や復讐心とかとてもリアルで人間らしくて良かった。
日本の社会科の授業では出て来なかったことも色々出てくるからある程度の基礎知識がないとついていくのが少し難しいかもやし
化学少し知ってると青酸カリの扱いとか実験見守る人たちの服装とか距離感とか色々とツッコミどころはあったのやや残念やし
出てきた科学者たちほぼ知らなかったの無念。
遠い昔授業でボーアの法則ってあったわ！！！って後から思い出したけどどんなものかは思い出せない…
観る前から賛否あることも承知の上でノーラン監督がどんな物を作り上げてきたのか、これまでノミネートを繰り返しながら手に入れられなかった
アカデミー作品賞と監督賞に相応しいと認められた内容は？とめちゃくちゃ楽しみにしてた。
言うてもあたしはアカデミー作品賞を信用してないし日本という国に正義なんて期待してない。
色々と思うところはあるけどあたしはこの作品を評価するし、やっぱりノーラン監督の作風がとても好き。
終盤のアインシュタインの言葉がめちゃくちゃ心に響いたし
ラスト近くの握手のシーンのオッペンハイマーとキティとの対比がめちゃくちゃ良かった！！
ていうか日和って公開延期するような内容でもなくまじ日本の配給会社クソやなって思った。
